1枚のお葉書

先日、一般市民の方からクリニック宛に【ショックではあるけれども有難いご指摘】のお葉書を頂きました。
内容を簡潔にまとめると、知り合いの方が当院を受診されて、「あそこの病院は、大腸カメラとか検査を勧めてきて、結果的に医療費が高くなる」と言われていた、とのことで、採算性を優先するような診療方針はいかがなものか?御一考をお願いしたい。
という内容でした。
正直、私の診療理念と全く反対の内容なので、ショックでした。
私と一緒に仕事をしたことのある方たちは、私がそういう医療者ではないということは分かって下さっていると思いますが、不要な検査を勧めることはありませんし、むしろ逆に、患者様が何か侵襲的な検査を希望されても、「検査をするリスク」と「検査をしないリスク」を考えて、前者のリスクのほうが高いと判断すれば、こちらが患者様に検査の不要性を御説明することがあるくらいです。
ただ、今回、私が申し上げたいのは、「自分が採算性のために不要な検査を勧める医療者ではない」ということではなくて、「検査をした方が良いと思って検査を提案して、それに患者様が同意をされたのちに検査を行ったとしても、必ずしも全ての患者様が行われた検査に対して同じように納得される訳ではない、ということに気づかせて頂いた」ということです。
少なくとも今回の該当患者様にとっては、行った検査の必要性を御納得頂けるほどまでには私が説明しきれていなかった訳なので、そこは、謙虚に反省し、明日からの診療に生かして参りたいと思っております。
お葉書の差出人が分かりませんので、直接お礼を言うことは出来ませんが、貴重な気付きの機会を与えて頂き有り難うございました。