「健診」について思うこと。自分のことは棚に上げて。

よく、「もうすぐ健診があるから、今はお酒を控えている」とか聞くことがありますけど、健診って合格することが目的じゃないんです。
誰とも競争する必要はないし、良い点数を取ることが目的じゃないわけで、ふだん通りの生活のまま、今の自分自身の健康状態を把握すればいいんじゃないのかな?と思うんです。
健診は、次の2項目を大きな柱として実施されます。
・生活習慣病の予防と早期発見
・がんの早期発見と早期治療
生活習慣病とは、高血圧、脂質異常症、糖尿病などで、これらの疾患は、時に重大な疾患の原因になりえるため、該当する人に「今のままだと、こういうリスクがありますよ。だから、早めにリスクを下げましょう」と教えてあげることが本来の健診の目的です。
また、現在は、2人に1人がガンになる時代と言われています。
現在の医療は、残念ながらガンになることを予防する力はありませんが、早期に見つければ治癒させる力はあります。だから、仮にガンが潜んでいたとしても、治せる段階で見つけだして、治療に繋げる。
そのためには、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコーなどの検査を受けてほしいのです。
たしかに、時間も1日潰しますし、費用もかかります。
検査が嫌だ、怖い、という方もいらっしゃると思います。
でも、治せるガンをみすみす治せなくしてしまうのは、消化器科医として本当に悔しいです。
 病気は時に理不尽です。
でも、どうか、勇気をもって、あなたのためだけではなく、あなたの大切な方のためにも健診を受けることを考えてみてください。
「ゼッタイ、見つけてやる」の気持ちで検査しますので。
私も、明日は自分自身の健診を受けてきます。
写真の問診項目を否定するために、今日、ランニングして体重を落とした自分のことは、すっかり棚の上にあげてますが、ふだんの思いを書いてみました。